世界で気温50度を越える日数が1980年代の2倍に!その影響は?

世界で気温50度を越える日数が1980年代の2倍に!その影響は?

ここ数年、日本では『猛暑』と呼ばれる日が増えています。猛暑とは気温が35℃を越える日のことを指していますが、年々猛暑日は増加傾向にあると言えるでしょう。35℃は体感でもかなり暑いと感じるのではないでしょうか?

しかし、世界では気温50度を越える地域があるというのです。また、その日数は1980年代の2倍に増えたことがBBC(英国放送協会)の分析で明らかになっています。そこで今回はこのニュースを深掘りし、極端な暑さによって起こる影響についてお伝えします!

目次

過去40年で気温50度を越える日が2倍に

「気温が摂氏50度に達する、極度に暑い日の年間日数が1980年代と比べて2倍になっている」というニュースを聞いて衝撃を受けた方は多いかもしれません。そもそも50度という気温は、私たち日本人にはなかなか体験することのない温度でしょう。

ちなみにBBCの分析によると、1980年~2009年の間で50度を越えた日数は年間平均14日、2010年~2019年に至っては年間平均26日に増えていることがわかりました。こうした酷暑に見舞われる地域は以前よりも広がっていると言われています。

では、酷暑になりやすい地域とは一体どこなのでしょう。また、酷暑の原因についても詳しく見ていきましょう。

・ニュースの参照元
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-58553979

世界で気温50度を越える日数が1980年代の2倍に!その影響は?|過去40年で気温50度を越える日が2倍に

気温50度を越える主な地域

気温が50度に達する地域は中東と湾岸地域が圧倒的に多いと言われています。クウェート市やアラブ首長国連邦のアル・アインなどでは気温が60度に達する恐れがあると、アメリカの研究者は予測しているのです。

また、こうした地域を含むペルシャ湾岸ではもともと湿度が高いこともあり、体感温度は75度まで上昇する可能性があると危惧されています。スイスの大気気候研究所によると、このまま温暖化が進めば2100年にまでには中東の一部で人が生存できなくなると論文で発表しています。

一方欧米でも、極端に気温の高い日が発生しています。カリフォルニアのデスバレーでは、2020年の8月に気温54.4度が観測されました。2021年の夏には、イタリアで48.8度、カナダで49.6℃まで上昇しそれぞれ国内最高記録を更新するなど、世界各地で酷暑が広がっているのです。

・カリフォルニアデスバレーの気候について
https://www.businessinsider.jp/post-218762

・ペルシャ湾岸について、スイスの大気気候研究所の論文について
https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20151029-00050954

極端な暑さの原因は温室効果ガスによる地球温暖化

世界各地で酷暑が広がっている原因、それは温室効果ガスによる地球温暖化にほかなりません。世界全体で温暖化が進むことで、極端な気温が発生しやすくなっているのです。

化石燃料の使用に伴う温室効果ガスの排出を止めない限りは、極端な暑さはさらに回数を増し、50度を越える地域も拡大していくと予想されています。このまま地球温暖化が進んでいくと、どのような影響が出るのでしょうか。

極端な暑さによってどんな影響が起こる?

温暖化による極端な暑さは、地球上の生命や自然にさまざまな影響を及ぼします。ここではどんな影響が起こるのか、詳しく解説していきます。

世界で気温50度を越える日数が1980年代の2倍に!その影響は?|極端な暑さによってどんな影響が起こる?

干ばつや山火事などの自然災害

酷暑によって起こる自然災害はここ数年あとを立ちません。例えば、大型ハリケーンが米国南部を襲ったり、ロッキー山脈の西側では長期間雨が降らずに干ばつが続いたりといった異常気象が起こっています。

また、イタリア南部のシチリア島やギリシャでは熱波による山火事が相次いでいるのです。日本でも大型の台風や豪雨による土砂崩れなどが発生したことは、記憶に新しいかもしれません。

こうして自然災害が起こることで、人々の生活に多大な影響を与え、困難な状況に直面している人も少なくないのです。

・異常気象による自然災害
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1807B0Y1A810C2000000/

健康やメンタルヘルスへの影響

極端な暑さは、人々の健康やメンタルヘルスにまで影響を及ぼすと言われています。例えば、暑すぎると体内の調整機能がうまくできなくなるといった、いわゆる熱中症の症状が表れ、時には命にさえかかわります。現代では、地球温暖化やヒートアイランド現象によって、日常生活においても熱中症が発生しやすくなっていると言われています。

また、米ラトガース大学が発表した研究結果によると、このまま温暖化が進めば2100年には世界の12億人もの人が暑さによるストレス状況におかれるとされています。その人数は、現在の4倍にも上るのです。

さらに、スタンフォード大学の研究では、気温上昇に伴い、暴力の増加や自殺率が上がることがわかっています。

このように、極端な暑さで受ける影響は想像以上に深刻化していることをおわかりいただけたのではないでしょうか。

・熱中症について
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf

・米ラトガース大学の研究について
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-58553979

・気温上昇による自殺率の増加について
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/post-10664.php

・気温上昇と暴力の増加について
https://www.afpbb.com/articles/-/2959534

世界で気温50度を越える日数が1980年代の2倍に!その影響は?|健康やメンタルヘルスへの影響

気候変動に立ち向かうためにできること

地球の温暖化による気温上昇を抑えるために、各国政府は新たな二酸化炭素の排出削減を求められることが予想されます。また、政府だけにとどまらず企業や自治体、個人でも対策をとらなければ、世界の温暖化を抑えるのは難しいのが現状です。

皮肉にも人間の活動が活発になればなるほど、温室効果ガスの排出は増えていきます。しかし、これまでの産業活動や日常生活を見直し改善していくことで、必ず良い方向に進むことができます。

私たちにできることは、生活の中で二酸化炭素の排出を減らす工夫をすることです。例えば、冬にエアコンを使用する際、暖房の温度を1度低く設定するだけでも、年間33kgのCO2削減になります。小さなことでもひとりひとりが意識して取り組むことで大きな変化へとつながっていくのです。

未来の地球のために、二酸化炭素の排出を減らすことに目を向け行動していきましょう。

・エアコンの温度設定によるCO2削減について
https://www.city.tokamachi.lg.jp/material/files/group/21/444_1.pdf

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