食育が子供の健康な未来をつくる

食育が子どもの健康な未来をつくる

皆さんは、「食育」という言葉に聞き覚えはありますか?

食育とは、【生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てること】と農林水産省によって定義されています(*1)。
近年、偏食など食事の乱れによる生活習慣病や、子供の発育・発達への影響が問題となってきています。皆さんの身近にも肉や甘い物など、自分の好きな物ばかりを食べる人がいないでしょうか。実は、そのような偏った食生活になってしまう一因には、幼少期の食事があるということが明らかになってきています。

2021年に発表された論文(The Influence of Parental Dietary Behaviors and Practices on Children’s Eating Habits *2)では、幼少期に確立された食生活が、成人期まで影響を及ぼす可能性が示唆されており、他にも肥満やⅡ型糖尿病など、肥満関連の合併症を発症するリスクが高まることなどが分かっています。一方で、子供の頃の食生活の改善は、健康を促進し、その後の人生で病気を発症するリスクを減らす可能性があることも分かっています。

目次

子どもの食生活へ影響を与える「親の食習慣」

では、自分の子供が偏った食事にならないように、親ができることは何でしょうか。同論文ではこれまで発表されてきた様々な研究をもとに、子供の食生活へ影響する、大きな要素をあげています。それは「親の食習慣」です。

子供の食事パターンは生後1年で大きく変化すると言われていますが、その際に子供が見ているのは親の食習慣に他なりません。もちろんその後の成長過程でも、親との食事が子供にとって最も頻度が高い食事であり、影響力が大きい事は言うまでもありません。

親が健康を意識して、栄養価の高い、バランスのとれた食事をしていれば、子供にとってはそれが当たり前の食事となって、その後の食習慣に組み込まれていくことでしょう。しかし健康的な食事を毎日用意し続けることは大変な仕事であり、時にはファストフードや簡単な食事で済ませてしまうこともあるかもしれません。ただ、そのような食事が続けば、幼少期の子供にとってそれが当たり前となってしまい、成長してもその当たり前を続けてしまいます。買ってきたもので食事を済ませる場合でも、栄養バランスを意識して選ぶことが必要になるでしょう。

健康な食生活

身近なところから食育を

このように、食事と健康は密接な関係にあります。食事と健康に関する問題を解決するために、国としても、「食育」、つまり「食事で育てる」ことを大々的に進めています。皆さんが健康的な食事や生活習慣に意識を向けることは、皆さん自身のみならず、子供たちの将来のためにも重要なことなのです。健康的な食生活を毎日実践するのは簡単な事ではありませんが、一つずつ身近なところから、行動をしてみてはいかがでしょうか。



*1 農林水産省ホームページ https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/
*2 Mahmood, L.; Flores-Barrantes, P.; Moreno, L.A.; Manios, Y.; Gonzalez-Gil, E.M.“The Influence of Parental Dietary Behaviors and Practices on Children’s Eating Habits.” Nutrients 2021, 13, 1138. https://doi.org/10.3390/nu13041138

バランスのとれた食事

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