大切な人に想いを伝える日、バレンタインデー。日本ではチョコレートを贈ることが一般的です。ただ、カロリーや糖質を気にする人も多いかもしれません。今回はバレンタインデーの由来を振り返り、チョコレートの栄養価、そしてヘルシーな手作りチョコのヒントをご紹介します。
まずはバレンタインデーのルーツから見ていきましょう。
バレンタインデーの歴史は意外にも古く、ローマ時代にまで遡ります。
本来のバレンタインデーは、269年2月14日に処刑された、キリスト教司祭のウァレンティヌス(バレンタイン)を悼む日でした。
このウァレンティヌスは、若者の結婚が禁じられていた時代、ひそかに結婚式を執り行っていたため、当時のローマ皇帝に処刑されてしまったのです。ウァレンティヌスは聖人「聖バレンタイン」として知れわたります。もともと2月14日は家族と結婚の女神である「ユーノの祝日」とされていたこともあり、この日は「愛の日」として確立されていきました。
その後14世紀頃になると、2月14日は恋愛に関するイベントの日とされ、今の「バレンタインデー」が誕生したと言われています。
実はバレンタインデーにチョコレートを贈る習慣があるのは日本だけ。しかもホワイトデーも日本特有のものなのです。
諸説ありますが、日本でバレンタインデーが認知され始めたのが約60年前のこと。「バレンタインセール」として広告に出たことが始まりと言われています。これはバレンタインデーという文化を日本に取り入れ、販売促進につなげたい流通業界や製菓業界によるものでした。
最初は男女を問わずプレゼントを交換したそうですが、1965年頃から、女性から男性にチョコレートを贈る習慣が定着したと言われています。しかしこれもチョコレートメーカーの販売促進の一環として打ち出されたもの。ホワイトデーも同じく、「贈り物をもらったらお返しをする」という日本人ならではの習慣に合わせ、製菓業界が提案したのだそうです。
その後、義理チョコ、友チョコ、世話チョコなども次々に誕生した、日本のバレンタインデー。愛の日でもありながら、日本人の律儀さに合った独自の恒例行事になったのかもしれません。
ここからは、バレンタインデーにチョコレートを贈りたい・食べたい人のために、チョコレートの栄養価を見ていきましょう。
日本食品標準成分表によると、一般的なミルクチョコレートは100gあたり550kcal、糖質は48.9gと高め。そして市販されているチョコレートの主たる原材料は砂糖です。特にホワイトチョコレートは乳製品が多く入っていることから、高脂質・高糖質。ダイエット中や糖質制限をしている人が食べるには注意が必要です。
ただ、チョコレートには体にいい栄養素も含まれているのは見逃せません。
チョコレートの原料であるカカオには、食物繊維やたんぱく質の他、抗酸化作用が高く、脳の認知機能を高めるという研究報告もあるポリフェノールが豊富に含まれています。そしてカカオは、脂肪蓄積抑制の効果がある苦味成分、テオブロミンを含む数少ない食品と言われています。
この素晴らしい栄養価を活かし、かつカロリーや糖質を抑えたチョコレートがあれば理想的。そこで登場するのがハイカカオチョコレートです。
文字通り、カカオ分の割合が高いチョコレートのこと。カカオ分の割合が高いということは、その分砂糖や乳製品の使用量が少ないということになり、カロリーや糖質をぐっと抑えることができます。
はっきりとした定義はありませんが、カカオ含有率が約70%以上のものがハイカカオチョコレートと言われています。
ただ、カカオ分が多いと脂質も高めになるため、食べ過ぎには注意が必要です。
それでは、手作りチョコレートやチョコレート菓子をヘルシーにするには、どのようにすればよいでしょうか。
まず、チョコレートはハイカカオチョコレートを使用することが大前提です。
ガトーショコラであれば、おからや豆腐を使うとよりヘルシーに。
チョコブラウニーには、山芋のすりおろしを使うのもGood。
その他、牛乳の代わりに豆乳、小麦粉の代わりに大豆粉、砂糖の代わりに羅漢果糖を使うなど、材料の代用でヘルシーにする方法はたくさん!是非試してみてください。
バレンタインデーに大切な人へ贈るチョコレート。今年は一緒に健康を祈る思いやりも贈りませんか?チョコレートの優れた栄養価を活かし、原材料を工夫してヘルシーな手作りチョコレート菓子にするもよし、こだわりのハイカカオチョコレートを買うもよし。皆さんのヘルシーなバレンタインデーのヒントになりますように。
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