あなたはミレニアル世代、Z世代、アルファ世代といった言葉を聞いたことがありますか?
もともと米国で生まれた世代を定義する言葉ですが、具体的にそれぞれの世代がどの年代のことを指しているのかわからない人も多いかもしれません。
今、世界では環境問題の解決に向けてさまざまな取り組みが行われていますが、実は世代によって環境意識に差があると言われています。
では、気候変動の問題に対して最も関心があるのは、一体どの世代なのでしょうか。今回は世代の定義や世代別の環境意識の差について解説します。
まずは、世代の定義について確認していきましょう。それぞれの定義には諸説ありますが、大まかに特徴などをお伝えします。
ミレニアル世代とは、1981年以降に生まれ2000年以降に成人した人々のことを指しています。2021年の時点で26歳~41歳を迎えた世代です。この世代はスマートフォンやPC、インターネットの普及などデジタル成長期とも言える時代の中で育ったため、「デジタルパイオニア」と呼ばれることもあります。
ミレニアル世代の特徴としては、SNSやネットニュースで情報をチェックしたり、InstagramやYouTube、Twitterなどを使って自ら情報発信したりする人が多いことです。
また、必要な物以外持たないミニマル的思考や、物よりも体験に価値を置くなど、これまでの世代にはあまり見られなかった価値観を持っています。
Z世代とは1990年以降から2000年代に生まれた世代を指しています。2021年の時点で11歳~25歳の人々がZ世代です。生まれた時から当たり前のようにインターネットが存在しており、「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。
Z世代の特徴は1つのSNSに対して複数のアカウントを使い分けて発信するなど、インターネットを自在に活用していることです。
また、コミュニケーションは主にオンライン上で行うなど、SNSとの距離が近いのも特徴と言えるでしょう。人とつながることを重視し、興味関心があることや感動をシェアすることにも長けています。
Z世代以降の年代をアルファ世代と呼び、2010年以降に生まれた人のことを指しています。ちょうどミレニアル世代の子どもに当たる世代です。現時点で11歳以下、オムツを履いている赤ちゃんやまだ生まれていない子も含まれます。
最近では小学生をターゲットにしたマーケティングなどでもアルファ世代という言葉が使われるようになりました。アルファ世代はこれからの未来を担う大事な世代ですが、その特徴が見えてくるのはまだまだ先ともいえるでしょう。
それぞれの世代の大まかな定義や特徴についてお伝えしましたが、その中で最も環境意識が高いと言われるのはZ世代です。
ピュー・リサーチ・センターが米国で行ったアンケート調査によると、気候変動への取り組みに「最も関心がある」と回答したのは、Z世代が37%、ミレ二アル世代が33%という結果となっています。
ちなみに、ミレニアル以前の世代のことをベビーブーマー世代(1946年~1964年生まれ) と呼びますが、この世代は「最も関心がある」と回答したのは29%、「重要な関心事ではない」が36%でした。
ベビーブーマー世代はインフレによる経済危機を恐れていることが理由として挙げられます。しかし、Z世代は気候変動によって起こる危機の方が、はるかに大きな経済問題だと考えているのです。
Z世代の環境意識が高い理由のひとつには、SNSとの距離が近いことが関係しています。彼らは世界で起きている社会問題や環境問題にSNSを通して触れる機会が多く、リアルに感じることができます。そのため、当事者意識が芽生えやすいのです。これは日本のZ世代にも共通する傾向です。
また、SNSを介して有名アーティストやインフルエンサーなどが環境運動を呼びかけることで、環境問題への意識が芽生える若者も増えています。
さらに、日本のZ世代は幼い頃から東日本大震災などの災害を目の当たりにしたり、地球温暖化による自然災害を経験したりしていることで、気候変動は身近な問題であり、自分たちの将来に関わる課題として捉えています。
加えて、教育の場でも多様性やサステナビリティに触れる機会もあり、学びのチャンスが多いことも関係しているでしょう。
世代ごとに環境意識の差があるものの、気候変動を抑えるためにはZ世代やミレニアル世代といった区分に関係なく、世代を超えてすべての人々が環境問題に関心を持つことが不可欠です。
また、それぞれの世代が恐れていることを解決するためには、お互いの主張を理解し合うことも必要となってくるでしょう。
最も若いアルファ世代は気候変動の主な原因を作ったわけではありませんが、今後気候変動が進んでいけば、これまでの世代に比べ大きな影響を受けることになるでしょう。これからの未来を担うアルファ世代にまで豊かな環境と暮らしを残すためには、あらゆる世代の価値観を認め合い、手を取り合っていくことが大事なのではないでしょうか。
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