Green Growersの公式You Tubeチャンネルにて公開中の番組、「Road to Championship」。競技大会の頂点を目指し、あるアスリートがトレーニングを重ねる様子に密着しています。今回はその主役であるフィジーク選手、高橋一平さんにインタビューを行い、競技を始めた理由やこれまでの歩み、競技にかける思いについて伺いました。
※フィジークとは
鍛えた肉体の美しさ、格好良さを競うボディメイク競技の一つ。ボディビルと似ていますが、理想とする体形や審査基準に違いがあります。高橋一平さんは国内大会の一つであるFWJ BLAZEOPENのnovis-170部門で、2020年チャンピオンとなりました。
もともと子供のころから水泳、柔道、野球に取り組み、高校時代も野球部に所属していました。ところが野球部を引退してから2年間、体を鍛えずにいたら、すっかりやせ細ってしまったんです。自分で男としてどうなのかと思い、友達を誘って会員制ジムに入会することにしました。まじめに取り組み、週に5~6回のペースでトレーニングをすると、1週間で体の変化に気づきました。そこからトレーニングにはまっていったんです。
その後1か月間、ジムのトレーナーからトレーニングや食事についての指導を細かく受けました。この時学んだことが、私のトレーニングの基礎になっていきます。
明らかに変わりました。いい変化があった一方で、食事に制限があるためほかの人と同じものを食べられないという不便な変化もありました。ただ、慣れてしまったので今は苦には感じません。
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初めて大会に出場したのは、ジムに通い始めて1年半ほどたったころでした。鍛えた体をほかの人に見せたい、せっかく鍛えるのだから、発揮できるような場が欲しい、と思い、初心者の登竜門として扱われている大会を自分で見つけて申し込んだんです。
しかし結果は思わしくありませんでした。当時は社会人1年目で、アパレル販売員の仕事をしながらトレーニングを行ったのですが、大会前は調整がうまくいかず、ふらふらになってしまい仕事どころではありませんでした。それに、減量も中途半端に終わってしまいました。
私は負けず嫌いで頑固な性格で、決めたことは曲げたくないという人間です。大会に出るなら優勝したいと思い、そこからモチベーションを高めていきました。
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本格的にトレーニングに打ち込もうとしたときに、大会やトレーニングを仕事につなげられないかと思い、パーソナルトレーナーの仕事を始めました。大会での優勝歴があると、パーソナルトレーナーとしても箔がつくというプラスの影響もあります。
自宅のジムは自分のトレーニングにも使いますが、主にパーソナルトレーナーとしての仕事を行うために設置したものです。最初は大手のパーソナルジムに所属していましたが、現在は独立しています。受け持つお客様は私のような競技のためのトレーニングが目的というわけではなく、健康維持のためにトレーニングをしたいという女性の方もいらっしゃいます。
いいえ、もともとというわけではありません。きっかけは3年前に出場した大会で惨敗してしまったことです。非常に悔しく、他の団体に所属しているトレーナーの方に教えを受けに行きました。その時から、ストイックに競技に取り組み始めたと感じています。
それに何よりも、トレーニングが好きだから続けられるというのはあると思います。体を鍛え上げて絞るという過程を経ると、去年とは違う体ができあがります。毎年進化した自分を見られるということが魅力であり、面白いところです。絞ることは体にとっては負担になりますが、それも自分にとっては刺激になっており、好きだと感じています。
他の選手と一緒に取り組むこともあります。トレーニングを始めたころは、何人もでワイワイとやっていました。今はみんな競技から離れてしまいましたが、新たにトレーナーとして出会った仲間も増えたので、時には彼らと一緒にトレーニングをしています。ライバルとして対抗心をむき出しにするような感じではないので、いい雰囲気で一緒にやれています。
フィジークというものの競技性を理解したうえでトレーニングに取り組んだことです。フィジークにおいては体が大きいだけでなく、絞れている人が高く評価されます。あとは食事のコントロールも重要ですね。例えば、私の体脂肪率は年間で見ると10%程度ですが、大会直前は3~4%にまで落とします。この状態では体調が悪くなってしまうので、ずっと維持し続けることはできません。大会に合わせて落とし、大会後は体脂肪率を増やすようにしています。
昨年5月の大会では準優勝に終わってしまいましたが、優勝者が自分と同レベルに体を絞れていた上に、体のサイズが自分より大きかったことが理由だと考えています。私も調整を失敗してしまい、体の最高の状態を大会に合わせられませんでした。体の状態は日々変化していくので、たった数日でも最高の状態からは変わってしまうのです。
負けた直後は、何も喉を通らないほど落ち込みました。しかし、今回は私が優勝します。その自信をもってトレーニングに取り組んでいます。
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理想とする選手というような人はいません。部位ごとに優れていると思う人がいるので、「この部位ならこの人」というイメージはあります。それに自分を近づけることを理想としています。
また、フィジークは若い人が中心の競技ですが、ボディビルはフィジークとは異なり筋肉量が命の競技です。そのため、年輪のように長年筋肉を積み重ねた40代の強い選手が多くいます。将来はボディビルにも挑戦してみたいですね。
高橋一平さんのトレーニングや大会へ向けた準備の様子については、Green Growersの公式You Tubeチャンネルで公開中の番組、「Road to Championship」にてお伝えしていきます。ぜひご覧ください。