オーガニックと聞くと何をイメージしますか?「健康に良い」「安全安心」など、消費者にとってのメリットを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかしオーガニックは健康だけでなく、環境と深い結びつきがあり、SDGsの達成にも関わってくるといわれています。
そこで今回は「オーガニック」とは何か、オーガニックの基準となる4つの原則やSDGsとの関係について解説します。
オーガニックとは有機食品や有機栽培を表す言葉です。有機栽培とは、化学的に合成された肥料や農薬などに頼らず、自然の力で生産される農産物の栽培方法のこと。つまりオーガニックとは商品のみならず、生産、環境、健康における一定の基準を満たすものの総称なのです。
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オーガニックとして認められるには、以下の国際有機農業運動連盟(IFORM)が定めた4つの原則をクリアしていることが前提となります。
◆健康
人間だけに限らず、原料となる家畜や農産物、それを取り巻く土壌や微生物、昆虫まで健康であること。
◆生態系
自然界の動植物や微生物など、生態系の命を守り、生物多様性を保全すること。生態系のバランスを崩さないこと。
◆公正
生産、販売、流通などに関わるすべての労働者から、消費者に至るまで、みんなが公正であること。劣悪な環境下の労働や、不公平な取引を防ぎ、すべての人が幸せであること。
◆配慮
今だけでなく、未来を見据えて生態系や人間への健康に配慮していくこと。
以上がオーガニックの基準となる4つの原則です。これらの原則を守るためには、化学農薬や化学肥料は一切使用できません。なぜなら化学農薬や化学肥料は、人の健康を害するだけでなく土壌にダメージを与え、生態系のバランスを崩すからです。
さらに、生産に関わるすべての人や、未来の地球環境にまで配慮されて作られているということが、オーガニックの原則となります。
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※画像参照: 農林水産省
オーガニック製品として販売するには、原則を守るだけでなく、各国で定められた認証制度をクリアしなければなりません。
例えば、日本でオーガニック食品として販売するなら、農林水産省が定めた「有機JAS認定」が必要となります。化学肥料不使用だとしても、認定を受けなければオーガニック商品とは名乗れないのです。
有機JAS認定されたものは、化学肥料や農薬に頼らず、自然の力で生産されたことを示しています。また、認定後は毎年1回調査が入るため、信頼度も高いといえるでしょう。
太陽、雲、植物をイメージした「有機JASマーク」が入った農産物や加工食品は、環境負荷を軽減して作られた食品の証でもあります。
では、オーガニックはSDGsの達成にどのように貢献できるのでしょうか。
オーガニックはSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献します。化学物質を使用しないオーガニック食品は、人の健康だけでなく土壌や周辺を取り巻く動植物の健康も守るからです。
オーガニックはSDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」にも貢献します。オーガニックは、化学肥料を使用した栽培と違い、地下水や河川に化学物質が排出されることがありません。そのため、水質汚染を防ぎ安全な水を保つことができます。
また、河川や海洋の水質を保つことは、
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オーガニックはSDGs目標12「つくる責任、つかう責任」にも貢献します。オーガニックは生産から加工に至るまで、自然循環機能を活用しているため、資源やエネルギーの使用を最小限に抑えることができます。
また、流通、販売、消費といった過程まで資源やエネルギーの無駄を省き、「大量生産、大量消費」という、これまでの生産と消費パターンの改善を担います。
オーガニックはSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」にも貢献します。オーガニックの生産では、自然循環機能を活用するため、プラスチックなど使い捨て資源の使用を減らし、生産や加工過程での温室効果ガスの排出を軽減します。
これによって、気候変動の原因となる地球温暖化を抑えることにもつながります。
オーガニックが単なる「健康に良い」というイメージから、「環境に優しくてみんなが幸せになる」という印象に変わったのではないでしょうか。
オーガニックは人の健康のみならず、生産に関わるすべての人々や生態系、土壌や河川などの自然環境にも優しいことがわかりました。また、オーガニック製品はSDGsの達成にも大きく貢献しています。
これからはもう一歩深い視点で、オーガニック製品を選んでみてはいかがでしょうか。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
http://organic-day.com/about