赤ワインが体に良いというのは有名な話ですが、なぜ体に良いのかを知る人は多くないかもしれません。今回は、赤ワインに含まれるポリフェノールが持つ健康への効果や、赤ワインの楽しみ方など、赤ワインの魅力をたっぷりとお伝えします!
赤ワインはなぜ体に良いといわれるのでしょうか。まずは赤ワインの健康効果を示した代表例、「フレンチ・パラドックス」をご紹介します。
フレンチ・パラドックスとは、心筋梗塞などの心疾患による死亡率についての研究で明らかになったものです。食習慣の特性上、脂肪分の摂取量が多い欧米では、アジアに比べて心疾患での死亡率が高いという傾向があります。その差は5~10倍に上ります。にもかかわらず、フランスだけが他の欧米諸国に比べ1/2~1/3と、心疾患死亡率が明らかに低いのです。これがフレンチ・パラドックスと呼ばれる現象です。フランス人の脂肪分の摂取量は近隣諸国と同程度なのに、なぜ差がついたのでしょうか。
鍵を握るのは、フランスで特に多く消費される赤ワインです。赤ワインに含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を和らげる働きをします。赤ワインを多く飲み、ポリフェノールをたっぷり摂取していることが、フランスで心疾患死亡率が低い理由の一つではないかといわれています。
フレンチ・パラドックスの原因を赤ワインに求める説には異論もあります。しかしポリフェノールが健康に様々な良い効果をもたらすこと自体は間違いありません。次に、赤ワインに含まれる栄養素の効果を詳しく見ていきましょう。
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赤ワインには、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールという成分が含まれており、数あるポリフェノールの中でも特に動脈硬化を防ぐ力が高いといわれています。さらにレスベラトロールには、記憶力の回復を助け、認知症やアルツハイマー病になるリスクを下げる効果があるとのこと。なお、レスベラトロールは白ワインよりも赤ワインに多く含まれるので、これらの効果を期待する場合は赤を選びましょう。
赤ワインにはカリウムが豊富に含まれています。このカリウムは利尿作用があり、塩分を取りすぎた際には排出を助けてくれます。これがむくみ解消につながるため、血圧を下げることが期待できるといわれています。お酒のおつまみには塩分が多いものがよくあります。でもカリウム豊富な赤ワインとなら、塩分を心配し過ぎなくて済みそうです。
他の醸造酒に比べて、赤ワインは糖質が少なく、カロリーも低め。100ml中、日本酒の糖質は4.9g、ビール3.1gに対し、赤ワインは1.5gと少ないことがわかります。もちろんウイスキーや焼酎などの蒸留酒の方が糖質は低いですが、日本酒やビールに比べると赤ワインを選ぶ方がヘルシーだといえるでしょう。
赤ワインに含まれるポリフェノールは、若いワインよりも熟成されたワインの方が多いことがわかっています。そして厚生労働省の指標によると、適度な飲酒は1日平均純アルコールで20g程度(※ e-ヘルスネットより)といわれており、赤ワインに換算すると1日に1杯半~2杯程度が適量です。でもそれだと1本のワイン(750ml)を飲み切るまでにはワインが酸化してしまいます。
せっかくのワインをなるべく酸化させずに楽しむ為に、3つのポイントを押さえておきましょう。
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ワインセラーがあればベストですが、無い場合は冷蔵庫の野菜室へ。香りの強い野菜がある場合はワインに香りが移ることがあるので、一緒に保管しない方が良いでしょう。
ペットボトルなどでも構いません。なるべくワインが空気に触れる面積を少なくすることがポイントです。ワインの量が減ってきたら、煮沸消毒したビー玉などでカサ増しすると、酸化が進みにくくなります。
これが一番手っ取り早い保管方法です。抜栓したコルクにラップを巻き、抜栓前とは逆向きに栓をします。ただし、ラップの匂いがワインに移ってしまうことがあるのがデメリット。なるべく早く飲み切ることをおすすめします。
赤ワインはアルコールの中でも、健康的に楽しめる素晴らしいお酒です。体質に合わせて適量と休肝日を守りつつ、日々の習慣に追加してみてはいかがですか。
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html