ダイエットに有酸素運動は欠かせません。しかし、ジョギングやウォーキングをする時間や場所がないこともあるでしょう。そんな時は短時間、省スペースでできる縄跳びがおすすめ。今回は縄跳びに期待できる効果や基本的な跳び方、縄跳びでダイエットをするうえで押さえておきたいポイントについて解説します。
まずは縄跳びの長所や期待できる効果を見ていきましょう。
まずは縄跳びの運動強度を見ていきましょう。運動の強度は「METs(メッツ)」という単位であらわされます。横になり眠っている状態が1METs、じっと座っている状態が1.5METsです。
有酸素運動の代表格ウォーキングは、散歩程度の速さ(時速4.5km)で3.5METs、早歩き(時速5.6km)では4.3METs。ジョギング(時速7.0km)は7.0METsです。
では縄跳びはというと、ゆっくり(1分間に100ステップ未満)の両足跳びで8.8METs、速いペース(1分間に120~160ステップ)では何と12.3METs。ウォーキングやジョギングに比べ運動効果が高いことが一目瞭然です。なお、ジョギングで12.3METsとなるのは時速13.8kmの場合ですが、これは平均的なジョギングの倍の速さ。同じ時間の運動であれば、倍の速さで走ってやっと、縄跳びと同じカロリー燃焼効果が得られるということになります。
このように縄跳びは、短時間で多くのカロリーを効果的に燃焼できる、時間のない方にぴったりな有酸素運動なのです。
(国立健康・栄養研究所 改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」)
続いて、縄跳びに期待できる具体的な効果を見ていきましょう。まずはロコモティブシンドロームの予防・改善です。
ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)は、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになってしまったり、そのリスクの高い状態を表す言葉です。
※(日本整形外科学会ウェブサイト)より
縄跳びは運動強度の高い全身運動なので、太ももやふくらはぎなどの下半身の筋肉、そして体幹が鍛えられます。それにより、ロコモティブシンドロームの予防・改善が期待できると言われています。
縄跳びをすると、ふくらはぎの血管や筋肉を鍛えることができます。ふくらはぎはその筋肉がポンプとなり、心臓に血液を押し上げていることから、第二の心臓とも呼ばれる重要な場所です。縄跳びでふくらはぎの血管が刺激されて血流が良くなり、代謝促進による美容効果が期待できます。
継続的に縄跳びを行って全身に適度な負荷をかけることにより、毛細血管が発達し、酸素を運ぶ力が鍛えられます。その結果、持久力がつくのです。
縄跳びの優れた効果が分かったところで、ここからは効果を高めるために知っておきたい、縄跳びの基本的なポイントをご紹介します。
跳んだ時に頭の10cm〜15cmくらい上を縄が通るのがベストな長さです。片足で縄の中心を踏み、グリップの位置がおへそとバストトップの間に来るように調節します。
手の位置が体から離れていると回転させにくいので、必ず脇を締め、手は体に近い所で縄を回します。体幹を真っ直ぐにするイメージで少し顎を引き、目線は正面に合わせます。
一般的にトレーニングをした後、筋肉は2~3日休ませた方が効果的と言われています。トレーニング後の約48時間は体が筋肉を回復している状態にあるためです。この間に同じトレーニングしても効果が得られないばかりか、逆効果になる可能性も。まずは週に3回、縄跳びをすることをおすすめします。
さぁ、実際に跳んでみましょう!
縄跳びを行う前後は、準備運動やストレッチを忘れずに。いきなり跳ぶと足首や膝、腰に負担がかかり、けがをしやすくなります。
縄を1回前回しする間に、2回ジャンプする跳び方です。トントン トントン トントンという感じのリズム。10回を1セットとして、3セットにトライしてみましょう。
1分間で60回を目標に前跳び(前回し)を数分間続けたら、30秒程度の休憩をはさむ。これを10~20分間続けて行いましょう。
更に慣れてきたら、ダイエット効果の高い駆け足跳びにチャレンジしてみてください。
左右の足で交互に着地する駆け足跳びは体へより大きな負荷がかかり、脂肪燃焼の効果も高まります。30秒間で80回のペースを目安に30秒跳んだら30秒休憩。これを3セット、頑張ってみましょう。
ご自宅の環境が許すようでしたら、雨の日は家の中で縄を持たない縄跳び、「エア縄跳び」をするのも効果的ですよ。
いかがでしたでしょうか。ダイエットと健康に最適な縄跳びは、短時間で効果も上がるので忙しい方にもおすすめです。いつものルーティンに縄跳びを追加し、健康的にダイエットしてみませんか。
https://www3.nhk.or.jp/sports/story/8956/index.html
https://sports.go.jp/tag/life/mets.html