持続可能な社会を目指すために、世界中の国や企業が取り組んでいるSDGs。そのSDGs11に掲げられている「住み続けられるまちづくりを」という目標には、一体どんな課題や目的があるのでしょうか?
今回はSDGs11「住み続けられるまちづくりを」の目的や、日本が抱えている課題、私たちができることについて、考えていきましょう。
あなたは、住み続けられるまちと聞いて、どんなまちを想像しますか。空気のきれいなまち、治安の良いまち、いろいろと思い浮かぶかもしれません。
SDGs11が目指す、住み続けられるまちとは、「だれもがずっと安全に暮らせて、自然災害にも強いまち」です。
過去40年にわたって、世界の自然災害の発生件数は増え続けており、避難や移住を強いられる人々が増えています。
特に開発の遅れている国では、その国の資材を使って災害にも強い建物をつくる技術協力や支援が重要課題となっています。
また、SDGs11の目標が設定された背景には、「世界の人口の半分以上が都市に集中している」という問題もあります。
現在は世界の人口の55%が都市に住んでいるといわれていますが、今後、ますます人口は都市に集中すると考えられています。
なぜなら、都市にはたくさんの商業施設や公共施設、会社や学校が集まり、経済や文化の中心となっているので、住む場所や仕事を求めて人々が集まってくるからです。
また、交通の便も良く、生活の基盤が整っていることも、都市に人口が集中しやすい理由となっています。
このままいくと2050年には世界の人口の68%、つまり3分の2が都市部に住むようになると予想されています。日本も例外ではありません。都市部に人口が集中することによって、新たな課題と向き合う必要が出てきます。
人口が一箇所に集中することによって、どんな問題が生じてくるのでしょうか。ここからは日本が抱えている課題について見ていきましょう。
災害に備え、電気、ガス、水道などのインフラをさらに充実させる必要があります。多くの人々や建物が集まっている分、災害時には被害も大きくなることが予想されます。
例えば、地震の際には交通規制がかかり、駅周辺に人があふれたり、帰宅困難者が大量に発生したりすることが考えられるでしょう。
また、木造住宅などの建物が密集している地域では、火災など二次災害の恐れもあります。できるだけ被害を小さく抑え、早急に復旧できるような対策が求められています。
都市部では移動手段として、主に電車やバス、自動車やバイクなどを使うことが多いでしょう。人口が増えれば、満員電車や混雑したバスが増えます。そして、道路では交通渋滞が起こるでしょう。
また、交通量が増えれば、事故が増える可能性も高くなります。どこへ行くにも便利でアクセスの良い都市部ですが、こうした交通問題とも向き合わなければなりません。
これらの問題に加え、排気ガスによる大気汚染や住宅不足による住居費の高騰、人口増加による大量のごみの処理問題など、解決すべき課題は多いのが現状です。
住み続けられるまちづくりのために、私たちには何ができるでしょうか。一緒に考えていきましょう。
地域のお祭りや清掃ボランティア、防災訓練など、地域活動への参加は私たちができることのひとつです。
地域の人とつながりを持つことで、いざという時にお互いに助け合うことができるでしょう。また、地域に関する情報を交換することで、まちの安全性を高めることにもつながります。
さらに、児童の登下校の見守りや防犯パトロールなど、地域を守るための活動に積極的に参加するのもおすすめです。
災害に強いまちを目指すためには、ひとりひとりが災害に備え、対策をしておくことも重要なポイントです。
食料品や飲料水、防災グッズを用意しておくことはもちろん、いざ地震が来た時に、避難場所がわからないなどということがないように、家から近い避難場所を必ず確認しておきましょう。
また、地域のハザードマップには災害時に危険が予想される箇所や氾濫しやすい川などが詳しく書かれていますので、事前に把握しておきましょう。
あなたが今住んでいるまちの魅力はどんなところでしょう。「お買い物に便利」「子どもがのびのび遊べる公園がある」など、いろいろな魅力があるかもしれません。
魅力があるまちは、おのずと人が集まってきます。住んでいるまちの魅力を周りに伝えていくことで都市部だけに限らず、「住んでみたい」「住み続けたい」と思えるまちが広がっていくことでしょう。
あなたのまちが持続可能で安全に住み続けられるよう、まずは地域活性化を目指して、活動に参加してみてはいかがでしょうか。
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/11-cities/
https://sdgs.edutown.jp/info/goals/goals-11.html